探査船「ちきゅう」今日出航~南鳥島沖のレアアース泥採掘

中国は、高市総理大臣の台湾をめぐる発言に反発し、日本に対してさまざまな圧力を強めています。

 

1月8日には、米ウォールストリートジャーナルが「中国の輸出業者が日本向けレアアースの輸出を制限し始めた」と報じました。

 

中国側は、軍事と民生の両方に使われる「デュアルユース製品」を理由にしていますが、これを額面通りに受け取ることはできません。


尖閣諸島問題の際に、中国がレアアース輸出を止めた前例を思い起こすと、今回も同様の事態に発展する可能性は十分にあります。


南鳥島レアアースは「希望」だが、即効薬ではない

こうした中で注目されているのが、南鳥島沖のレアアース泥です。


探査船「ちきゅう」は本日午前、採掘に向け清水港を出港しました。この掘削は、あたかもゲームチェンジャーのように報じられることも増えました。

 

しかし、レアアース研究の第一人者である東京大学生産技術研究所の岡部徹教授は、

「仮に海底から引き上げ、商業化できたとしても、相当先の話になる」

と冷静な見方を示しています。

 

仮に3年先に実現したとしても、現在進行形の危機には間に合いません。


今、打つべきは「すでにある現実的ルート」

一方で、日本にはすでに使える現実的な選択肢があります。
それが
「オーストラリアで採掘 → マレーシアで精錬 → 日本へ供給」
というルートです。

 

このルートは実績があり、予算や外交努力を集中させれば、供給量の拡大も可能です。
目の前のリスクを下げるには、こちらにこそ資源を投入すべきでしょう。

将来投資と危機対応は分けて考える

南鳥島沖のレアアース開発は、日本の将来にとって重要な国家プロジェクトです。
しかしそれは「中長期の投資」であり、「目前の危機対応」とは別物です。

 

夢のある話に期待を寄せることと、現実の安全保障を守ること。
この二つを混同せず、冷静に戦略を組み立てることが、いま日本に求められていると思います。