ヤクルト館山昌平投手~手術9回、復活を繰り返すも遂に引退

 今季限りでの現役引退を発表したヤクルト館山昌平投手(38)が都内で引退会見を行いました。

 会見での言葉は、

今シーズンをもちまして、現役を退くことをことをご報告させていただきます。悔いなく17年間、試合に向けてやってきたので後悔はありません。

でした。

 館山投手ほど、すざましいプロ野球人生を送った人はセ・パ両リークを通じてほかにはいません。

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引退会見する館山投手 (出所:日刊スポーツ)

 経歴を簡単に紹介しますと、

 日大藤沢高校から日大に進学、ドラフト3位でヤクルトに入団しています。

 ドラ3ですのでそれほど注目をされた選手ではありませんでした。

 

 1年目は1軍で登板したものの1勝もできず0勝3負の成績に終わります。

 2年目はキャンプ中に利き腕の右肘靭帯を断裂し、エンゼルスの大谷選手が受けたのと同じトミージョン手術を受け、その年はリハビリで終わっています。

 3年目に不屈の闘志で10勝をあげて有名になりますが、右手の血行障害で再度右肘手術を受けます。

 6年目に復活し12勝をあげ最優秀防御率賞をとり、オールスターにも初選出されました。

 7年目は、大活躍をし16勝をあげ、最多勝のタイトルを取っています。翌年も12勝をあげています。

 9年目に再度血行障害を患い、3度目の手術を受けます。

 翌年の10年目は、シーズン2度の月間MVPを受賞するなど再度復活を果たしました。

 11年目は、シーズン始まって直ぐに右肘靭帯を再断裂し、トミージョン手術を受け、さらに股関節の手術も受けています。

 12年目も、2軍の試合で異常を覚え、右肘手術と右前腕の手術を受けました。

 13年目は、またしても復活し6勝をあげカムバック勝を受賞しています。

 14年目は打球を腕に受けて活躍できず、15年目の今シーズンは1軍登板しましたが勝ことができませんでした。

 

 トミー・ジョン手術を都合3度経験し、その他にも腕、肩関節、股関節などに9度に渡って手術をし、全身には175針の傷跡が残っています。

ここまで復活できるのは並大抵の精神力ではありません。

彼には、

絶対に怪我を理由に引退したくない。

という決意がありました。

 それと、

打たれるのは能力や技術が足りないだけ。

という向上心を持っていたのも、何度の手術から復活を繰り返すことができた要因だと思います。

 記者会見では、「後悔はありません」と発言しましたが、心底の言葉だと思います。こんなに頑張ったので、後悔するはずがありません。

 

 翻って、自分はどうだったかと振り返ってみたら後悔ばかりです。後悔のない生き方は素晴らしいことです。館山投手には、色んな意味で良い勉強をさせていただきました。心よりご苦労さまと申し上げます。