新任小企業社長が従業員採用時に注意すべきこと~社会保険

小企業の社長になって2週間が過ぎました。いろんな業務があり日々楽しく仕事をさせていただいています。

 

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 社長になって以降、これまでの間に従業員を2人採用をしました。

従業員を採用すると、各種公的保険の保険料を会社が負担する義務が生じます。

その公的保険には、

● 労働災害保険 ● 雇用保険 ● 健康保険 ● 厚生年金保険 ● 介護保険

の5保険があります。

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社会保険を所管する厚生労働省

この保険の中には、従業員の働く時間によって加入する必要のないものもあります。(詳細は後述)従業員を採用して会社がどのくらい負担になるか記してみたいと思います。

 労働者災害保障保険(労災保険)

就業中や通勤途中など業務上の事故や災害によるけがや仕事が原因で病気などになった際に労働者の生活を保障するものです。

この保険は会社が加入し、その会社で働く従業員に適用されます。そのため保険料も会社が全額負担す。

保険料は、

従業員の賃金総額×厚生労働省が決めた保険料率

で決まります。


www.mhlw.go.jp

私の会社は「その他の各種事業」に該当し、賃金総額の3/1000を支払う必要があります。

雇用保険

 労働者が失業した場合や会社の事情で辞めることになった場合に、労働者の生活を安定させたり、再就職を促進するために必要な給付を行うものです。

雇用保険の加入要件は

⚫1週間の所定労働時間が20時間以上であり
⚫31日以上の雇用見込みがあること

です。

従って、1週間の所定労働時間が20時間未満のアルバイトには雇用保険をかける必要はありません。

保険料は、従業員の賞与、各種手当などを含めた総給与に保険料率をかけ料率に応じ会社と従業員がそれぞれ負担します。保険料負担割合は下表のとおりです。一般の事業では会社が従業員の倍の保険料を負担します。

【平成31年度雇用保険料率】

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出所:厚生労働省ホームページ

ハローワークへの雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は、

 被保険者となった事実のあった日の属する月の翌月の10日まで

です。

健康保険

健康保険は、会社や事業所で働く人やその扶養家族が、ケガや病気をしたときに必要な医療費や手当金等を支給して、生活上の不安をなくすことを目的とした公的な医療保険制度です。

加入対象者(被保険者)は、

● 正社員、会社の代表者、役員
● パート、アルバイトで1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上ある者 

 

が対象になります。

私の会社の場合は、1日の所定労働時間は8時間で週の所定労働時間は40時間です。月の所定勤務日数は22日です。

従いまして、週30時間以上、月に16.5日以上勤務する場合は健康保険に加入する必要があります。 

厳密に所定労働時間を求めるには、8時間×22日×52週÷12ヶ月で計算する必要があります。

私どもの会社が属する保険組合は協会健保で、保険料は地域、報酬月額等で決まっており、高知県の場合20万円の報酬月額で20,420円です。その内会社が半分の10,210円を負担します。

被保険者資格取得届は、

 事実の発生から5日以内

に事業所を管轄する年金事務所に届ける必要があります。

厚生年金保険 

厚生年金とは、会社員や公務員を対象にした公的年金です。法人企業はたとえ1名でも強制加入する必要があります。70歳未満の人を対象としています。

加入の対象者は健康保険の対象者と同じです。

厚生年金保険料は毎月の給与と賞与に一定の保険料率を掛けて算出します。保険料率は2017年9月以降18.3%で固定されています。会社と従業員と折半するため会社の負担分は、従業員の給与及び賞与額の9.15%分となります。

20万円の給与の場合は、18,300円を会社が負担することになります。

年金事務所への届けは、健康保険と同じで事実発生から5日以内です。

 介護保険

介護保険は介護を必要とする高齢者を抱える家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に始まった制度です。

介護保険の被保険者は、65歳以上の被保険者(第一号被保険者)と40歳以上65歳未満の被保険者(第二号保険者)に分かれます。

 第二号被保険者の保険料は、健康保険と一体で天引きされます。協会健保の平成31年3月分の介護保険料率は給与の1.73%です。

これも会社が半分負担します。

最後に

 これまでは、使われる側でしたので社会保険については無関心でしたが、使用する側にまわり、社会保険制度の重要性がわかるようになりました。

会社員は、いろんな保険で守られているということをつくづく感じています。