従業員20数人の小企業の社長をしています。社長といっても銀行への入金、ハローワークへの雇用保険の届出、トラブル処理など色んな仕事をしており、庶務兼社長というところです。
昨年末、年金事務所から「健康保険と厚生年金保険の調査」を行うと呼び出しを受け調査を無事乗り切ったところですが、今度は労働基準監督署から「労働条件の調査について」という文書が届きました。
庶務担当職員に聞くと、これまでこのような調査を受けたことがないということです。
文書内容を見ると
とやさしい言葉で書かれています。
この言葉どおりやさしい調査なのか不安になりましたので「労働条件の調査」について調べてみました。
調査の根拠
労働基準監督署の調査は、労働基準法と労働安全衛生法に根拠があります。
◎労働基準法による調査
第101条には、調査を行う労働基準監督官の権限が定められており、調査を拒否すれば罰則もあります。
◎労働安全衛生法による調査
労働安全衛生法にも調査を拒否した場合の罰則が規定されています。
労働基準監督官は特別司法警察職員
労働基準監督官は、行政上の身分のほか司法警察職員としての身分を有し労働基準法に違反する罪に限り捜査して送致する権限があります。
即ち、逮捕、捜索差押えすることができるということです。
森林、鉄道その他特別の事項について司法警察職員として職務を行うべき者及びその職務の範囲は、別に法律でこれを定める。
労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。
このように、労働基準監督官は強い権限を持っています。
調査内容・方法
労働基準監督官の調査の内容・方法については下記厚生労働省のホームページQ&Aを参照してください。
まとめ
労働基準監督署から送られてきた文書を読むと任意の協力を求めるような書き方になっていますが、実際は法律に基づいた呼出状に近いものです。
労働基準監督官は強い権限を持っていますので、間違っても捜査の対象にならないように、指定された文書を確実に準備し誠実に検査を受けたいと思います。