私が会社に入ったころの事務員は、ガリ版を使って印刷をしていました。その後湿式コピー機が普及し、ガリ版のようにインクで汚れることもなく非常に重宝されました。
湿式コピー機は透過性のよいペーパーで原稿をつくり、その原稿をコピー機に入れ上から紫外線をあて感光紙に焼き付けることから、コピーをすることを焼くといっていました。
とある日の午前中のこと

鈴木君すまないが、これを焼いてきてもらいたい。急ぎたのむ。

わかりました。すぐに焼いてきます。
~ 5分くらいして鈴木君が席に戻る ~

鈴木君すまなかった。ところで原稿は。

焼いてきました。

焼いたのは分かったが、原稿は。

焼却場で確実に焼きました。

冗談だろう。
課長は天を仰ぎ唖然。固まって言葉も出ない。まわりの課員も暫く沈黙。
鈴木くんはなんのことやら。
このような鈴木君ですが、無事定年を迎え退職しています。現実の話です。勿論、本名ではありません。