湿式コピー機にまつわる小話

 私が会社に入ったころの事務員は、ガリ版を使って印刷をしていました。その後湿式コピー機が普及し、ガリ版のようにインクで汚れることもなく非常に重宝されました。

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湿式コピー機

 湿式コピー機は透過性のよいペーパーで原稿をつくり、その原稿をコピー機に入れ上から紫外線をあて感光紙に焼き付けることから、コピーをすることを焼くといっていました。

とある日の午前中のこと

f:id:kalubo:20190228203213p:plain山本課長

鈴木君すまないが、これを焼いてきてもらいたい。急ぎたのむ。

 
 
f:id:kalubo:20190228203931p:plain鈴木くん

わかりました。すぐに焼いてきます。

 ~ 5分くらいして鈴木君が席に戻る ~

 

f:id:kalubo:20190228203213p:plain山本課長

鈴木君すまなかった。ところで原稿は。

f:id:kalubo:20190228203931p:plain鈴木くん

焼いてきました。

f:id:kalubo:20190228203213p:plain山本課長

焼いたのは分かったが、原稿は。

f:id:kalubo:20190228203931p:plain鈴木くん

焼却場で確実に焼きました。

f:id:kalubo:20190228203213p:plain山本課長

冗談だろう。

 

  課長は天を仰ぎ唖然。固まって言葉も出ない。まわりの課員も暫く沈黙。
鈴木くんはなんのことやら

 

このような鈴木君ですが、無事定年を迎え退職しています。現実の話です。勿論、本名ではありません。